木型の問題

靴を作るときは、木型に生地や革を被せて型取りを行うのが基本です。そのため、靴の形やサイズによって木型を使い分ける必要があります。小さな足や大きな足、甲が薄い足、幅が広い足など、足の形は人によって様々です。一つひとつ異なる形の木型を作っていてはコストがかかりすぎますので、十分な販売数を見込めるサイズや形に偏る傾向があります。

小さいサイズの靴は平均的なサイズの靴と比べて販売数が少なく「木型を作成してもコストを回収できるだけの販売数を見込めない」と判断されるケースも珍しくありません。こうした理由から自然と小さい靴の木型が少なくなり、店舗に出回るサイズも限られます。

また、小さいサイズの木型を作る際には、ただ平均的なサイズと同じ比率でサイズダウンすればよいわけではありません。サイズに見合った形状に整える必要があり、手間がかかる点も小さなサイズの木型が少ない原因だと考えられます。

パーツの問題

小さいサイズの靴の種類や数が限られる原因には、木型だけでなくパーツも大きな影響を及ぼします。靴は、サイズが変われば使用するパーツも変わるからです。例えば、小さいサイズの靴に大きいサイズのヒールは使えません。パーツのサイズが合わないことで全体のバランスが崩れ、安全に履けなくなりますので、靴のサイズに合わせたパーツを用意する必要があります。

ヒールの場合、一般に流通している「極小」サイズなら小さいパンプスに合わせて使えますが、ヒールとソールが一体になった「モールド底」であったり、特殊素材を使ったりしている場合は製造数が限られますので、対応が難しいのが実情です。

また、ヒール以外にも靴で使用されるパーツは様々です。靴底やインソール、装飾品など、靴を作るためには多種多様なパーツが欠かせません。
小さい靴に合わせたパーツの製造は、木型の製造と同じくらいコストがかかります。パーツを作ってもコストを回収できる程度の販売数を見込めないと、「パーツの製造はできない」と判断されるでしょう。

このように、木型やパーツの問題によって小さい靴のバリエーションが限られてしまうことは少なくありません。特に、人気商品ほど品薄になることが多いため「好みの靴が見つからない」と悩んでいる方も多いはずです。

FOREMOS marco（フォアモスマルコ）では、長年にわたり小さい足の女性に向けたレディース靴を手がけてまいりました。独自に計測した寸法をもとに新たな木型を製造し、「小さな足の方が最も美しく履ける靴」を生み出しております。
靴の試着ができるショールーミングストアを営業しており、サイズ計測や足タイプ診断などを行い、靴選びをサポートいたします。小さいサイズの靴をお求めの場合は、ぜひご利用ください。